Googleトレンドの仕組みと本当の意味を考察した

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カテゴリー: GoogleAnalytics

皆さんはGoogleトレンド使っていますか?

Googleトレンドとは地域や期間を指定して任意のキーワードの「相対的な人気度」「相対的な関心の推移」を調べることができるツールです(かくいう私は年間数回しか使いません!)。

こういうやつですね。

しかし先日、とある記事でGoogleトレンドを用いた話をしたところ

お前Googleトレンドの仕組みわかってるの?

とコメント欄で指摘を受け、悔しくなって公式ヘルプで勉強したのでその成果を図などを用いて説明したいと思います。

Googleトレンドの仕組みわかってるの?

この前、Googleトレンドを用いて「マストドンはもうブーム終了!?」と不用意に「マストドンブーム終了説」を唱えたのですが、

お前Googleトレンドの仕組みわかってるの?

とコメント欄で怒られて、

となったので公式ヘルプで勉強しました。

Googleトレンドの仕組み

では、勉強してわかった部分をまとめてみたいと思います。

なお、公式ヘルプの翻訳は一番下に載せているのであとで読んでみてください。

Googleトレンドの仕組みを説明している部分

Googleトレンドの仕組みを説明している部分はこちらです(公式ヘルプから抜粋表示)。

How Trends data is adjusted

~略~

・Each data point is divided by the total searches of the geography and time range it represents, to compare relative popularity.Otherwise places with the most search volume would always be ranked highest.

・The resulting numbers are then scaled on a range of 0 to 100 based on a topic’s proportion to all searches on all topics.

・Different regions that show the same number of searches for a term will not always have the same total search volumes.

これの意訳です。

トレンドデータの調整法

~略~

・各データポイントは、相対的な人気度を比較するために、(選択された)地域と期間における全検索回数で除算されたものです。またさらに、最も多い検索ボリュームをもつデータポイントは、常に最高位(100%)にランクされます。

・結果の数値は、すべてのトピックにおけるすべての検索回数の任意のトピックの割合に基づいて、0から100の範囲でスケールされます。

・ある期間で同じ検索回数であっても、地域が違えばいつも同じトータル検索ボリュームを持つとは限りません。

ここからさらに大事なところを抜き出すと、

  1. 各データポイントは、相対的な人気度を比較するために、(選択された)地域と期間における全検索回数で除算されたものです。
  2. またさらに、最も多い検索ボリュームをもつデータポイントは、常に最高位(100%)にランクされます。

1について

例えば、Googleトレンドで

  • 地域を日本
  • 期間を90日間

にして(マストドンに関することでGoogleトレンドを勉強したので)「マストドン」について検索したとします(これが5月末現在のグラフ)。

この場合、実際のグラフを見てもらえるとわかりますが、各データポイントは1日間でプロットされています。

すなわち、各データポイントは日本においてその日一日間でなされた全検索回数で、「マストドン」と検索された回数を割ったデータ(割合)が元となっています。

もっと詳しく

あり得ないですが、考え方をシンプルにするため日本における全検索回数は毎日変わらず100回だったとします(そもそも、日本の検索ユーザーの人数と検索回数はそこまで激しく変わらないと思うので定数としていいですよね?)。

そして「マストドン」の人気にじわじわと火がついて徐々に検索回数が増えていき、栄枯盛衰、そして減っています。

これらを元にざっくりとテキトーに表を作ってみました。

「マストドン」と検索された割合を棒グラフにするとこうなります。

これを見ると、「おぉーマストドン、4月13日付近にめっちゃ検索されてるじゃん!」と日本人の関心を引き付けたことがわかります。

2について

ここからさらにGoogleトレンドでは、

最も多い検索ボリュームをもつデータポイントを100%にする

ということなので、4月13日の「マストドンと検索された割合」を100%にする必要があります。

本当はもっと複雑な計算があるはずですが、公式ヘルプにはその複雑な計算方法が明示されてないのでなるべくシンプルに考えましょう。

さて、4月13日のデータを100%に正規化した表がこちらです。

これを折れ線グラフにすると、こうなります。

Googleトレンドの仕組みはこのようになっており、下のグラフが出来上がっていると思われます。

Googleトレンドは何を意味するのか?

Googleトレンドを簡潔にまとめると、Google検索のデータを元にした

  1. 指定地域における
  2. 指定期間での
  3. 全検索回数に対する指定キーワードの検索割合を
  4. 0~100%にスケーリングして推移を表したもの

と言えます。

さて、このGoogleトレンドは何を意味するのでしょうか?

「検索」って何?

GoogleトレンドはGoogle検索のデータを元にしているのでまずは「検索」について整理したいと思います。

検索とは、

  • 必要な情報をさがし出すこと
  • 知らないことを調べること

をいい、人が知りたいこと・知らないことを調べる作業と言えます。

検索するきっかけ

私は知らないことが多すぎますが、特にきっかけがなければわざわざ検索して調べようとは思いません。

検索をするときは

  1. 検索する必要性に迫られた時
  2. 「知りたい」と興味・関心を持った時

です。

1に関しては各々のライフスタイルが違うので「方向性」はバラバラになりがちですが、2に関してはニュースやメディアなどによって大多数に伝達される情報によって「方向性」を持たせられます。

そのときに人々が一斉に「なんだろ?」「詳しく知りたい」と検索するわけです。

Googleトレンド=人々の関心の推移

以上のことから私は、Googleトレンドの意味とは「人々の関心の推移」と考えます。

現にGoogleトレンドのランキングを見ると、テレビや新聞、SNSで人々の関心が集まったものが掲載されていることがわかります。

正確に書くならば、

  1. 指定地域における
  2. 指定期間での
  3. 全事物・事象での人々の関心の推移(ピークを基準とした人々の関心の推移)

を表したものと言えそうです。

Googleトレンド≠人気度

私はこれまで「Googleトレンド=そのキーワード(事物・事象)の人気度」と考えていました。

それは、公式ヘルプに

to compare relative popularity

とあったことから「Googleトレンドは相対的な人気度を表すんだ」と捉えていたからです。

しかしよくよく考えたら、この世の情報(事物・事象)は(表現が正しいかわかりませんが)

  • 単発型
  • 追求型

があって、シンプルにGoogleトレンドでは「人気度」なんかは測れないということにたどり着きました。

単発型

単発型とは、一回調べれば事足りるものです。

例によってまた「マストドン」を取り上げるならば、マストドンに関心を持ったら「マストドンって何?」と一回だけ調べればよいのです。よほどのことがない限り再度「マストドン」を調べることはないですよね。

※専門的知識を求める人は除きます

追求型

追求型とは、新たな情報が追加されていくものです。

例を挙げると、「ドラマ」や「ニュース」などがあります。

ドラマ(逃げ恥のガッキー可愛かったですね)は毎週毎週放送され、その都度新情報とそれに付随した「人々の感想や反応」も追加されていき、検索を繰り返していきます。

また、事件やスポーツなどのニュースも同様です。

人気度を測れるのは「追求型」のみ

単発型の情報は一回調べればよいので、何度も何度も検索する必要がないのでかならず検索回数が落ちます。

そのためGoogleトレンドの推移も下がるのですが、これを持って「人気度が落ちた」とは断定できません(調べることがなくなったからといって興味がなくなったとは言えない)。

しかし追求型は検索回数が落ちればGoogleトレンドの推移も下がり、この場合は「人気度が落ちた」と言えそうです。

私は逃げ恥の放送期間と最終回後しばらくは「逃げ恥ロス」で感想サイトなどを回っていましたが、ここ半年は調べることがなくなりました(興味がなくなったor他のことに興味を移したため)。

まとめ

以上、長くなったのでまとめます。

  • Googleトレンドは人々の関心の推移を表したもの
  • Googleトレンド=人気度ではない
    →人気度を測れるのは追求型の情報のみで、単発型の情報では測れるとは限らない

公式ヘルプの翻訳

では最後に、公式ヘルプの翻訳を載せておきます。

公式ヘルプを見るとわかりますが、実は日本語訳がなくて現状、翻訳して読まなければなりません。

私は英語が苦手なので「げぇー!」となったのですが、コメント欄で指摘されて逃げるわけにもいかず、勇猛果敢にGoogle翻訳を使いながら意訳してみました。

ここではその成果をシェアします(ほんとに英語が苦手なので訳やニュアンスの間違いがあればコメントで教えて下さい)。

The homepage explained(Googleトレンドのホームページの説明)

On the new Google Trends homepage you can explore Trending Stories in real time by category and location.
In some locations, you’ll also see featured stories at the top of the page that are curated by the News Lab at Google to provide you with additional insights found in the data.

Note: The new Google Trends will be available in additional countries over the year.
If the new Google Trends homepage hasn’t yet launched in your region, you still have access to the real time Explore page and the existing Top Charts, Trending Searches, and Trending on YouTube sections.

これの意訳です。

新しいGoogleトレンドのホームページでは、カテゴリと地域別でトレンドを調べることができます。
一部の地域では、サイトのトップページでGoogleのニュースラボが収集した特集記事を閲覧することができ、データの中で発見される追加の洞察を提供します。

注意:新しいGoogleトレンドは、1年以上の期間でさらなる国で利用可能となるでしょう。
もしも新しいGoogleトレンドがまだあなたの地域で利用可能でないのであれば、リアルタイムExporeページと既存のトップチャート、トレンド検索、YouTubeセクションにおけるトレンドにまだアクセスできるでしょう。

How Trends data is adjusted(トレンドデータの調整法)

Trends adjusts search data to make comparisons between terms easier.
Search results are proportionate to the time and location of a query:

・Each data point is divided by the total searches of the geography and time range it represents, to compare relative popularity.Otherwise places with the most search volume would always be ranked highest.

・The resulting numbers are then scaled on a range of 0 to 100 based on a topic’s proportion to all searches on all topics.

・Different regions that show the same number of searches for a term will not always have the same total search volumes.

これの意訳です。

トレンドは検索データを調整し、用語間の比較を簡単にします。
検索結果はクエリの時間と地域に比例しています。

・各データポイントは、相対的な人気度を比較するために、(選択された)地域と期間における全検索回数で除算されたものです。またさらに、最も多い検索ボリュームをもつデータポイントは、常に最高位(100%)にランクされます。

・結果の数値は、すべてのトピックにおけるすべての検索回数の任意のトピックの割合に基づいて、0から100の範囲でスケールされます。

・ある期間で同じ検索回数であっても、地域が違えばいつも同じトータル検索ボリュームを持つとは限りません。

Where Trends data comes from(トレンドデータの元データ)

Google Trends data is an unbiased sample of Google search data. Only a percentage of searches are used to compile Trends data.

・Real time data is a random sample of searches from the last seven days.
・Non-real time data is a random sample of Google search data that can be pulled from as far back as 2004 and up to 36 hours prior to your search.

Once the search data is collected, we categorize it, connect it to a topic, and remove any personal information.

Data that is excluded
・Searches made by very few people: Trends only shows data for popular terms, so search terms with low volume appear as 0.
・Duplicate searches: Trends eliminates repeated searches from the same person over a short period of time.
・Special characters: Trends filters out queries with apostrophes and other special characters.

これの意訳です。

Googleトレンドデータは、Google検索データのバイアスがかかっていない公平なサンプルです。トレンドデータを編集するために使用される検索の割合はほんのわずかです。

・リアルタイムデータは過去7日間の検索のランダムサンプルです。
・ノンリアルタイムデータは、Google検索データのランダムサンプルで、36時間前から2004年まで遡って取得することができます。

検索データが収集されると、Googleはそれを分類してトピックに接続します(個人情報は削除します)。

除外されるデータ
・ごく僅かな人々によって行われた検索:トレンドには一般的な用語のデータのみ表示され、少量の検索用語は0として表示します。
・重複検索:トレンドは、短い期間での同一人物による繰り返し検索を排除します。
・特殊文字:トレンドは、アポストロフィーやその他の特殊文字を持つクエリをフィルタリングします。

Find more details about a story or topic(ストーリーもしくはトピックに関する詳細を確認する)

To view more context on trending stories, open Google Trends and click on a “Featured Story” or a “Trending Story” from the homepage.

You’ll find data like the most relevant articles, interest over time, interest by region, trending queries, and related topics. The data is collected from Google Search, YouTube, and Google News to provide context around a trending story found on the homepage.

これの意訳です。

トレンディなストーリーの詳細を表示するには、Googleトレンドを開き、ホームページから"Featured Story"もしくは"Trending Story"をクリックします。

あなたは、最も関連性のある記事、時間経過に伴う関心、地域別の関心、トレンドクエリ、そして関連トピックのようなデータを探すことができます。Google検索、YouTube、Googleニュースから収集されたデータは、ホームページ上に掲載されたトレンドストーリーの周りのコンテキストを提供します。

Trending Searches explained(トレンド検索の説明)

Trending Searches highlights searches that jumped significantly in traffic among all searches over the past 24 hours and updates hourly. You can use Trending Searches to see what people are most interested in at any given time and how the searches rank compared to one another.

これの意訳です。

トレンド検索は、過去24時間の全ての検索の中でトラフィックが大幅に増加した検索がハイライト表示され、1時間毎に更新されます。トレンド検索を使うことで、ある時間に人々が最も関心を持っているものand他のものと比較して検索順位がどうなっているかを見ることができます。

Trends Top Charts explained(トレンドトップチャートの説明)

You can see lists of the top trending or most searched actors, sports teams, books, and more with Google Trends Top Charts. You can also view the annual version of Top Charts, Year in Search.

View Top Charts
1.Open Google Trends.
2.In the top left, click the main menu icon Main menu.
3.Select Top Charts.
4.To switch between Trending and Most Searched views, select the drop-down menu at the top of the list.

You can use Top Charts in any country, but not every Top Chart is available everywhere.

これの意訳です。

Googleトレンドトップチャートでは、トップトレンドもしくは最も検索された俳優、スポーツチーム、書籍などのリストを見ることができます。また、トップチャート、「Year in Search」の年次バージョンも表示することができます。

トップチャートの見方
1.Googleトレンドを開きます
2.左上のメインメニューアイコンのMain menuをクリックします
3.トップチャートを選択します
4.TrendingビューとMost Searchedビューを切り替えるには、リストの上部にあるドロップダウンメニューを選択します

トップチャートはどの国でも使用できますが、すべてのトップチャートがすべての国で利用できるわけではありません。

Troubleshooting(トラブルシューティング)

If you don't get the results you're looking for, you can try using different search criteria.
See top searches and rising searches.

Top searches and rising searches are only available for dates that are at least a week in the past.

Example: If today is July 4, 2016, your starting search date must be on or before June 27, 2016.

Get graphs of the data.
When a search term doesn't have enough total Google Search queries, Trends can't create graphs. Retry your search using one or more of these options:

・Use fewer search terms
・Check your search term spelling
・Expand your date range

See an "Interest over time" graph when comparing search terms.

To compare search terms over time, use the same length of time for each search term.

Examples:

You can compare "search term a" for 2014 to "search term b" for 2015.
You can't compare "search term a" for 2014 to "search term b" for July 2015.

See an "Interest by region" map when comparing search terms.

To compare search terms over time by location, select the same location for all terms.

Examples:

You can compare "search term a" to "search term b" in India for the past 5 years.
You can't compare "search term a" in India to "Search term b" in Russia for the past 5 years.

これの意訳です。

探している結果が得られない場合は、さまざまな検索基準を試すことができます。
top検索とrising検索を参照してください。

top検索とrising検索は、少なくとも過去1週間の日付でのみ利用可能です。

例:今日が2016年7月4日の場合、検索開始日は2016年6月27日以前でなければなりません。

データグラフの取得
検索語に十分なGoogle検索クエリがない場合、トレンドはグラフを作成できません。次の1つ以上のオプションを使用して検索を再試行してください。

・検索語数を減らす
・検索語のスペルを確認する
・期間を拡大する

検索用語を比較するときの「時間の経過に伴う関心」グラフを見る。

時間の経過とともに検索語を比較するには、検索語ごとに同じ長さの時間を使用します。

例:

2014年の「検索タームa」と2015年の「検索タームb」を比較できます。
2015年7月の「検索タームa」と2014年の「検索タームb」を比較することはできません。

検索用語を比較するときは、「地域別の関心」地図を参照してください。

場所によって時間の経過とともに検索用語を比較するには、すべての用語に対して同じ場所を選択します。

例:
あなたは過去5年間、インドの「検索タームa」と「検索タームb」を比較できます。
あなたは、過去5年間、ロシアの「検索タームb」とインドの「検索タームa」を比較することはできません。

 

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コメント

1:ak:2017/11/13 12:50:47

とてもわかり易く解説されていますね。参考になりました。

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