さくらのレンタルサーバーの一日の最大転送量とその落とし穴

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カテゴリー: サーバー

先日、さくらのレンタルサーバーで借りているサーバーに運営から「制限」をかけられました。具体的にはHTTPアクセスに対して全て503エラーが返されるというものです。

この制限の解除をお願いするためにさくらのサポートに電話したのですが、そこで「転送量」について有益な情報をゲットできたのでまとめておきます。

転送量

さくらのレンタルサーバーの一日の最大転送量の目安はこちらにあるように次のようになっています。

  • ライト   :40 GB/日
  • スタンダード:80 GB/日
  • プレミアム :120 GB/日
  • ビジネス  :160 GB/日
  • ビジネスプロ:200 GB/日

そして、但し書きがこちらです。

プランごとに想定されている転送量の目安です。

※ お試し期間中はプランに関わらず、目安より低い値で転送量が制限されております。
※ コンテンツダウンロード中にブラウザ側から中断を行った場合は、すべて転送したものとして扱われます。

目安値を大きく上回る、または短時間に転送量が大きく増加した場合、「503 Service Temporarily Unavailable」等のエラーが表示されます

今回私がはまった落とし穴は赤字の部分で、ばっちし明記してくれていたにも関わらず見落としていました(油断していました)。

転送量は時間あたりで考えなければならない

まずは大事なものを先にということで結論から書くと、

ファイルを転送するときは、1時間あたりの転送量は「最大転送量を24時間で割った数値以内」に収めないといけない

ということです。

私はライトプランを借りているので一日の最大転送量は40GBなのですが、これを24時間で割って

40GB ÷ 24時間 = 1.67 GB/h

すなわち、1時間あたり1.67 GB以上の転送量を超過した場合、制限(503エラー)にかかる可能性があるということです。

なお、全プランの1時間あたりの転送量の目安をまとめると

  • ライト   :1.67 GB/h
  • スタンダード:3.33 GB/h
  • プレミアム :5 GB/h
  • ビジネス  :6.67 GB/h
  • ビジネスプロ:8.33 GB/h

さらに30分の場合は

  • ライト   :0.83 GB
  • スタンダード:1.67 GB
  • プレミアム :2.5 GB
  • ビジネス  :3.33 GB
  • ビジネスプロ:4.17 GB

です(なぜ30分単位で書いたかは後述します)。

そしてこれ、どうやら深夜の時間帯でも適用されるようです(以下に詳しく述べます)。

転送量を超過するとどうなるの?

これも結論から言うと「HTTPアクセスが全て503エラーとなる」制限を受けます。

さて、私はさくらのレンタルサーバーのライトプラン(容量10GB)を借りているのですが、容量が残り0.5GBになったのでサーバーの同居人に迷惑がかからない夜中(午前1時30分~午前2時の間)を選んで

wget -P /var/www/html/ http://〇〇〇.sakura.ne.jp/△△△.zip

で別のサーバー屋で借りているVPSにファイル転送を30分で6回行いました(転送量の合計は1.6GBくらい)。

あんまりやりすぎるとさくらに怒られるかな?と思ってそこで作業を中断して就寝しました。

503エラーの連続

翌日再度ファイル転送の続きを行おうとしたのですが、

--2017-06-07 16:13:56-- http://〇〇〇.sakura.ne.jp/△△△.zip
Resolving 〇〇〇.sakura.ne.jp (〇〇〇.sakura.ne.jp)... ***.***.***.***
Connecting to 〇〇〇.sakura.ne.jp (〇〇〇.sakura.ne.jp)|***.***.***.***... connected.
HTTP request sent, awaiting response... 503 Service Temporarily Unavailable
2017-06-07 07:13:56 ERROR 503: Service Temporarily Unavailable.

と何度やっても503エラーになりました。

また、私はWebツールにてこれまで自作したツールを公開しているのですが、ここのコメント欄で

と、さくらのサーバーに置いてある外部ファイルを読み込んでボタンを表示させている機能が動いていないことを知りました。

そして、このサーバーにホストしているサイトにアクセスしたところ、すべてで

503 Service Temporarily Unavailable

となり、この時点でさくらによって「503エラーの制限」を受けていることを把握しました。

制限されたときに表示される「コメント」を確認

そこでさくらのサーバーの管理画面にログインして、制限を受けたら表示されるという「コメント」(サイドバーにある「リソース情報」から確認できる)を見たところ・・・

ない!?リソース制限のコメントがないぞ!(歓喜)

と喜んだのですが、ひたすら503エラーは続いている状況でした。

最初、メンテナンスもしくは障害発生かな?と思ったのですが障害情報を見ても特に何もなく、あれこれ原因を考えても仕方なかったのでさくらのサポートに問い合わせを行いました。

時間あたりの転送量の超過が原因

さくらのサポートに電話したところ、「確認します。少々お待ちください」と言われ、6分ほど待たされて暇だったので何気なくサイトを閲覧しました。そしたらなんと普通に表示されました。

やったー

喜びの余り机に置いていたスマホを腕で落としてしまって電話が切れてしまい、「まぁ503エラーは治ったし、いいかな?」とも思ったのですが、お礼と詳細な原因を聞けていないので再度さくらのサポートに電話しなおしました。

なぜ私は制限を受けたのか?

一番これが気になったので聞いてみました。

すると、「お客様で思い当たる節はありませんか?」とまさかの質問返しを受けてうろたえたのですが、ありました!

そう言えば夜中(午前1時30分~午前2時の30分くらいの間)に、合計1.6GBのファイルを別サーバーに転送させていました。

でも、ライトプランの一日の最大転送量の目安は40GBまでだし、

サーバーの負担がかからない深夜帯を選んで行ったので、特に制限を受ける理由にはならないと思ったのでその旨伝えたのですが、

恐らくそれが原因です

と教えてくれました。

というのも上述した通り、一日の最大転送量はあくまでも一日(24時間)をかけてであって、短時間に大量の転送を行えば転送量超過によって制限を受けるとのことです(そしてそれはプログラムによって行っている)。

すなわち私は、30分という短い間に1.6GBものデータ転送を行ったため、プログラムに検知されて制限を受けたようです(なので時間帯は関係ない?)。

管理画面に制限のコメントがないけどどうして?

さくらインターネットでは、同一サーバーにホストされている"同居人"に迷惑がかかる著しい利用をしたユーザーを「制限」する仕様となっています。

その場合、サーバーの管理画面に「コメント」が表示されるのですが、私の場合は表示されていませんでした。

なのでこのことが気になってサポートの方に尋ねたところ、

ユーザー様が何らかの制限を受けた場合コメントにてアナウンスしますが、その通りではございません

え!?どういうことですか?気になって食らいついて聞きまくりました。

聞いたことをまとめると、どうやら制限には

  • 手動制限
  • プログラム制限

があるっぽく、手動制限の場合に例の「コメント」に表示され、プログラム制限の場合は表示されないっぽいです(企業秘密なのか言葉を濁されました)。

手動制限とは?

手動制限は、サーバーの同居人に迷惑をかける激しい利用をしているユーザーにかけるもので、この場合サーバーの管理画面のコメントにてその旨表示されるようです。

そしてこの手動制限を受けたら、自動的には制限は解除されず、サポートに問い合わせをしなければならないとのこと。

プログラム制限とは?

プログラム制限は、あらかじめ決められた「閾値(詳細は不明)」を超えたユーザーがいた場合、プログラムによって自動的にかけられるもので、こちらは特に管理画面のコメントには表示されないようです。

そしてこのプログラム制限は、状況が落ち着けば自動的に解除されるとのこと。

私の場合はプログラム制限を受けました

サポートの方にいろいろと聞いた結果、どうやら私の場合は「プログラム制限」だったようで、たまたま電話したときに制限が緩くなって表示されているだけで

まだ503エラーは継続しているようです

と教えてくれました。これまたどういうことですか?と聞いたところ、

プログラムによる制限は状況によって徐々に解除されていくため、継続的にサーバー負荷が発生すると制限の時間は伸びていきます

とのこと。これまた「え!?」と思ったのですが、

一度プログラム制限を受けると、サーバー負荷(HTTPアクセスなど)が発生すると、制限の時間が伸びていく仕様のようで、継続的にHTTPアクセスが発生すると(普段だとまったく問題ないレベルでも)制限が先延ばしにされる

ようです。

じゃあ、全く使わない状況にしないとダメじゃないですか!

私はこのサーバーで上述のツールサイトを動かしているので、定期的にHTTPアクセスが発生し、回復が後ろ倒しになって永遠に制限が解除されない無限ループ状態だったわけです。

調べてもらったところ、深夜から夕方まで15時間ほど連続で503エラーになっていたようです・・・

こりゃブースト打つしかない!

ということで、503エラーの制限は解除されていく兆しはありながらも、断続的にHTTPアクセスが発生しているので永遠と制限が完全に解除されない状況でした。

サポートの方と話して、一度全てのアクセスを遮断すれば早く制限が解除されると言われたのですが、「そういえばブースト機能あったよな」と思いつき、サポートの方に尋ねたところ

ブースト機能を使うと、サーバーの通常時より2~3倍の許容量(転送量とCPU)が与えられるので有効的です(ただし使用してから2週間は使えなくなります)

と教えてくれ、この機能を最後に使ったのは2~3年前なのでそうそう打つもんじゃないので、そっこうブースト機能を打ちました。

そしたらなんと!!断続的に観測されていた503エラーがなくなったではありませんか!

ブースト機能強すぎ!

FTPでのファイル転送は転送量にはカウントしない

このサポートの方にかなり有益な情報を教わったわけですが、最後の最後にまた嬉しい情報を与えてくださいました。

というのも、「あと5GBほど別サーバーにファイルを移動させたいのですが、こういうことを考えると厳しいですよね?」と尋ねたところ

FTP機能でのファイルの移動は転送量にはカウントしない仕組みになっています
なのでFFTPなどのFTPソフトを使っていったんローカル(パソコン)に落として別サーバーにアップロードされるといいですよ

と教えてくれました。

結論

さくらのこのサポートの方は「」!ではなくて、

  • サーバーの転送量は時間当たりで考えないとダメ(深夜だろうが関係ない)
  • 転送量を超過すると503エラーの制限を受ける
  • 一度制限を受けたらなかなか解除されない
  • FTPでのファイル転送は転送量にはカウントしない

ということがわかりました(サポートの方も企業秘密なのか言葉を濁す場面もありましたがだいたいこんな感じで間違いないはずです)。

転送量だけでなくCPUについても・・・

今回使用しているサーバーにプログラムによる自動制限を受けたわけですが、サーバーの制限は転送量だけでなくCPUでもかかるので、ついでにCPUに関しても聞いてみました。

私の場合(ライトプラン)一日に1時間程度のCPU使用時間があるのですが、この程度であれば問題なく、2~3時間の使用が一般的な許容範囲で、5~6時間からはアウトになるとのこと。

そしてビビったのが、

お客さんによっては一日に30時間使う方もいます

ふぁ!?一日ってマックス24時間じゃないんですか?

とツッコミを入れたかったのですが、あんまりしつこく聞くのも失礼なので聞けませんでした。

以上です。

 

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