ふるさと納税での「確定申告」と「ワンストップ特例申請」の違い
この前、人生で初めてふるさと納税をやってみたのですが、納税(寄付)した分の税金控除を受けるためには
- 確定申告
- ワンストップ特例申請
のいずれかをしなければなりませんでした。
私は「ワンストップ特例申請」の方が楽そうなのでワンストップ特例申請をやろうと思ったのですが、ふるさと納税を勧めてくれた友人から
ワンストップ特例申請だと受けられる税金控除のうち所得税の控除が受けられなくなるから損する。
確定申告をやった方がいい。
と言われました。
ワンストップ特例申請は損する?
結論から言うと、確定申告だろうがワンストップ特例申請だろうが翌年の税金の控除額は変わりません(どっちが損とか徳とかなくどちらも同じ額の税金控除を受けられます)。
それは、総務省のこちらのページにあるように
ふるさと納税ワンストップ特例制度が適用される場合は、所得税からの控除は行われず、全額が翌年度分の住民税から控除されます
や
所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、ふるさと納税を行った翌年度の住民税の減額という形で控除されます
とあることからもわかります。
以下に詳しく顛末と情報をまとめます。
ふるさと納税の税金控除
ふるさと納税では、ふるさと納税できる限度額以下の納税(正確には寄付という)をすると、寄付した全額(ただし2000円は実費負担)が
- 所得税の還付
- 住民税の減額
という形で戻ってきます。
すなわち、2万円のふるさと納税を行った場合、翌年の税金が1万8千円減額されて実質2000円で返礼品がもらえます(ほんとにお得な制度です)。
税金控除の仕組み
ふるさと納税した分の所得税と住民税の控除ですが、この3つから行われます。
- 所得税
- 住民税(基本分)
- 住民税(特例分)
これらの正確な計算式ですが、次のようになっています。
- 所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
- 住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2,000円)×10%
- 住民税からの控除(特例分) = (ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
※このほか条件などがあるので正確な計算式は総務省のこちらのページを参照してください
友人の勘違い
これを見てもわかる通り、ふるさと納税した金額の税金控除は「所得税」と「住民税」から行われます。
さて、「所得税の還付」はサラリーマンの場合だと年末調整で行われますが、だいたいふるさと納税は年末調整が終わって源泉徴収票が発行された後に行うと思います。
そのため、年末調整後にふるさと納税を行った場合、その分の所得税の還付は確定申告を行わないと通常返ってきません。
友人は、
- ワンストップ特例申請を行うと住民税での減額(控除)は行われるが
- 確定申告をしていないので所得税の還付は行われない
- したがってワンストップ特例申請では所得税の還付がない分損する
と考えていたようです。
住民税の「申告特例控除」を受けられる
通常、ふるさと納税を行って確定申告をすると、
- 所得税
- 住民税(基本分)
- 住民税(特例分)
の3つの税金控除を受けられますが、ワンストップ特例申請では所得税の控除の代わりに住民税の「申告特例控除」というものが受けられます。
したがって、ワンストップ特例申請の場合は
- 住民税(基本分)
- 住民税(特例分)
- 住民税(申告特例控除)=所得税の控除と同額
となり、結局確定申告のときと控除される税金の額は変わらなくなります。
メリット?
確定申告でもワンストップ特例申請でも控除される税金の額は変わらないことからどちらも損も得もないですが、実はワンストップ特例申請だとある点でメリットがあります。
それは、ふるさと納税分の税金控除額が通知書でまとめて確認できることです。
というのも、ワンストップ特例申請を行うと、ふるさと納税を行った翌年の6月くらいに住民税の控除通知書が送られてきます。その通知を見ることで、ふるさと納税を行った分のお金が確かに税金控除という形で減額されていることを一目で確認することができます(ワンストップ特例申請だとすべて住民税で控除される)。
もしも確定申告だと
- 所得税の還付がされた確認
- 住民税の控除がされた確認
をしなくちゃいけなくなります。
まとめ
- ワンストップ特例申請では所得税の控除は受けられない
- しかしその分、「申告特例控除」という形で住民税が減額される
- よって確定申告だろうがワンストップ特例申請だろうが控除される税金の額は同じになる
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