誰も言わないから言うけど、仮想通貨の取引って圧倒的に不利だよね

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カテゴリー: 仮想通貨

ここ数か月、仮想通貨の採掘(マイニング)に興味があってMoneroというアルトコインを掘っていたのですが、

そろそろ仮想通貨の取引もしてみたいお!

と思って仮想通貨の取引ができる取引所にアカウントを開設しました。

下調べをしていなかった私が悪いのですが、いざ取引を開始しようと手数料などを勉強してみたら、圧倒的に不利な取引であることに驚愕しました。

仮想通貨の取引は頻繁にすべきではない

大事なことを先にということで、私が仮想通貨の取引を頻繁にすべきではないと判断した理由をまとめます。

  1. 取引にかかる手数料が高すぎて圧倒的に不利
  2. 値動きが激しくてリスクが高い
  3. 仮想通貨の市場は規模が小さいので簡単に相場を操作される

これらのことから「仮想通貨は儲けられる」とほいほい何も考えずに始めてしまうと痛い目をみるかもしれません。

以下に詳しく述べます。

1.手数料が高すぎる

「高い」「安い」は相対的なものなので何に対して高いのか?ですが、FXと比較してです。

私はFXを5年しており、もはや金融取引の手数料はFXが基準になっているのですが、仮想通貨の取引は上がる下がるの前に手数料の時点で大幅なマイナススタートであることに気づきました。

以下、仮想通貨とFXの手数料をいろいろな角度から比較してみます。

現在値に対する手数料

仮想通貨の基軸通貨はビットコインなので、ビットコイン円(BTCJPY)の現在の値段に対する手数料の比率を見てみます(日時:5月29日、取引所:coincheck)。

※「取引所」ではなく「販売所」での売買について考えてみます
※「取引所」ではビットコインの売買手数料は現在無料となっています

つまり現在値(266,617円)に対する手数料(2986円)の比率はこうなります。

2,986円÷266,617円×100=1.12%

次に為替の基軸通貨は米ドルなので、ドル円(USDJPY)の手数料を見てみます(日時:5月29日、取引所:GMOクリック証券)。

※FXでは取引手数料は基本的にかからないので手数料は0円です

現在値(111.285円)に対する手数料(0.003円)の比率はこうなります。

0.003円÷111.285円×100=0.00270%

よって、仮想通貨とFXでは手数料に約415倍もの差があることがわかります。

ドルをビットコインの値段分購入したときの手数料

上の比較では

  • ビットコインの現在値:266,617円→約26万7千円
  • ドル円の現在値   :111.285円→約111円

現在値の絶対値が大きく違う上に、FXでは1ドルだけを購入することはできません(最低でも1000ドル単位から)なので、ドル円をビットコインの値段分購入したときにかかる手数料を算出してみます。

ビットコインの値 266,617円÷ドル円の値 111.285円=2,396

ということで2,396ドルを購入すればいいので、1ドルの購入では0.003円の手数料がかかるので、

0.003円×2,396=7.2円

つまり

  • 266,617円分のビットコインを購入するときにかかる手数料:2,986円
  • 266,617円分のドルを購入するときにかかる手数料   :7.2円

2,986円÷7.2円=415

これまた仮想通貨とFXでは手数料に約415倍もの差があることがわかります。

※それっぽいことをやっていますが、実はこれらの計算は同じことをやっているので手数料の差は同じになります。しかし仮想通貨の取引にかかる手数料ははるかに高いことはわかると思います
※基本的にビットコインは「取引所」で売買するのが一般的ですが、アルトコイン(イーサリアムやリップル、ネムなど)は「販売所」でしか売買できません(日本において)

利益に対する手数料

次は利益に対する手数料の比率を考えてみます。

まずは、仮想通貨とFXの取引で一般的に売買されるであろう基本単位(通貨量)のあれこれをまとめます。

仮想通貨の場合

FXの場合

現在値に対して1%の価格変動が起きた場合

ビットコイン・ドル円において、それぞれの現在値に対して1%の価格変動(有利な方向への価格変動)が起きたときの利益と利益に占める手数料の割合を考えます。

ビットコインの現在値は266,617円なので、1%(0.01)の価格変動が起きた場合、2,666円の値動きがあります。

266,617円×1%=2,666円

ドル円の現在値は111.285円なので、1%(0.01)の価格変動が起きた場合、1.113円の値動きがあります。

111.285円×1%=1.113円

この値動きによる利益と利益に対する手数料の割合を表にまとめるとこのようになります。

ビットコインの場合

びっくりすることにビットコインでは、(儲けられる方向への)1%の価格変動が起きただけでは、全ての取引で赤字となることがわかりました。

これはなぜか?他でもなく取引手数料が高いからですね。

ドル円の場合

ドル円では、(儲けられる方向への)1%の価格変動が起きた場合、全ての取引で黒字となります。

現在値に対して5%の価格変動が起きた場合

同様に、ビットコイン・ドル円において、それぞれの現在値に対して5%の価格変動(有利な方向への価格変動)が起きたときの利益と利益に占める手数料の割合をまとめます。

ビットコインの場合

5%の値動きをキャッチできればさすがに黒字となりますが、利益に対する手数料の割合は22%も占めています(手数料が高いのでこのようになります)。

ドル円の場合

ドル円で5%の値動きをキャッチできれば大儲けで、利益に占める手数料の割合はわずか0.05%です。

値動きに根拠を持たせる

ビットコイン・ドル円において、それぞれの現在値に対して

  • 1%
  • 5%

の価格変動での利益と利益に占める手数料の割合を見てきましたが、これらの数値はテキトーに考えた数値です。

ここで、もっと具体的に仮想通貨の取引の不利さを明確にするために、直近90日間(取引日)のデータから1日あたりの平均ボラティリティ(値動きの幅みたいなもの)を計算してみたいと思います。

計算あれこれは長くなったのでこちらの画像を参照してください。

これを見るとわかる通り、ビットコイン・ドル円の1日あたりの平均ボラティリティ(HV)は

  • ビットコイン円:3.99%
  • ドル円:0.54%

となります。この数値を用いて再計算してみます。

ビットコインの場合

ビットコインの場合、運よく1日の値動きのすべてをキャッチできても純利益が手数料によって圧迫され思ったより稼げないことがわかります(手数料が利益の28%も占めます)。

逆に、損する方向に値が動いたら・・・と考えたら手数料+値動きによる差損でとんでもない損失を出すことがわかると思います。

リスクとリターンを考えると

リスク>リターン

となり、プレーヤーは圧倒的に不利となります。

ドル円の場合

ドル円の場合、運よく1日の値動きのすべてをキャッチできたら、純粋に為替差益を得られます。

リスクとリターンを考えると手数料が低いので

リスク≒リターン

となり、プレーヤーは(値動き上)フェアな戦いができます。

2.値動きが粗い

以上で、仮想通貨の取引は「高すぎる手数料」によって圧倒的に不利な勝負となることが分かりました。

もう一つ不利な条件は「値動きが粗い」ことです。

どういうことかというと、もう一度こちらの画像を参照して欲しいのですが、1日ごとの「前日比率」がドル円と比較してかなり大きな数値となっていることがわかります。

そして1日あたりの平均ボラティリティ(HV)は

  • ビットコイン円:3.99%
  • ドル円:0.54%

となっており、これを上述の価格で一日の値動きの変動幅を計算すると

  • ビットコイン円:266,617円×3.99%=10,638円
  • ドル円    :111.285円×0.54%=0.60円

つまり、ドル円が一日平均0.6円(60銭)動くのに対して、ビットコインは一日平均10,638円も動きます。

そして驚くことに、ビットコインで直近90日間(取引日)において前日比率5%以上、10%以上の値動きを起こした日数は

  • 5%以上:19回
  • 10%以上:4回

となっています。

為替をやったことがある人はわかると思いますが、ドル円が90日間の間に5%以上動く日が19回、10%以上動く日が4回も出現することは、かなりの異常事態であることが簡単に想像がつくと思います。

そんなリスキーなことが仮想通貨の世界では日常的に起きています。

今朝も値動きが粗かったです

本日6月22日の早朝に各仮想通貨の値動きをキャプチャしたのでみてください。

これを見るとわかる通り、(ビットコインは値動きが落ち着いていますが)、その他の仮想通貨は第2の基軸通貨であるイーサリアムをはじめとして大きな下落が起きていることが分かります。

取引所のチャットでは、「毎週こんなことが起きる」といった発言もあり、かなりのハイリスクハイリターン(手数料を考えると、ハイリスクミドルリターン)な世界であることがわかります。

なぜ値動きが粗いのか?

なぜ仮想通貨の取引はこんなにも値動きが粗いのでしょうか?

それは、仮想通貨がメジャーになりかけていると言えども、市場規模が小さいため、市場に厚みがなく多くの資金を持つ個人や組織によって簡単に値動きが操作されるからです。

末恐ろしいのが5月25日の高値と安値の幅です。

  • 高値:382,689円
  • 安値:254,061円

この日は13万円弱の値動きがあり、40%以上もの変動率が生じています。

私は仮想通貨の取引には参入していないのでわかりませんが、この日は為替の世界における

  • スイスフランショック
  • イギリスのEU離脱
  • トランプ大統領の当選決定

などに匹敵する重大なイベントなどがあったのでしょうか?

もしなければ、仮想通貨の世界は大口の投機家によるポジション整理もしくは操作によって簡単にこのようなことが起きると言わざるを得ません。

操作されやすい仮想通貨

値動きが操作できる理由をまとめるとこんな感じです。

  • 仮想通貨の市場規模が小さい(2017年5月時点で6兆円、1日あたりの取引高は800億円)
  • さらに取引所が分散している
  • 相場の操作を取り締まる法律や管理団体が存在しない

ちなみに、為替の世界では

  • 1日の取引高は450兆円
  • 相場は中央銀行の発言や政策金利、市場介入などによって統制がとられている(とられる方向にある)

という側面があるにも関わらずヘッジファンドや取引事業者によって相場が操作されています。

こう考えると、仮想通貨の相場なんて操作は簡単ですし、世界のヘッジファンドからガチで狙われたら私たち個人では太刀打ちできません。

取引所自体が敵かも?

あなたが利用している取引所は

  • 売り買いによって発生する手数料
  • あなたが損したお金

で儲けています。

そしてあなたが利用している取引所は、あなたの注文や資金内容を把握しているので、ロスカットまで追い込もうと思えば簡単に追い込めます。

大きなポジションを取った時、前触れもなく相場が逆に動く・・・もしかしてそれは・・・

まとめ

私が仮想通貨の取引を頻繁にすべきではないと判断した3つの理由をまとめます。

  • 取引にかかる手数料が高すぎて圧倒的に不利
  • 値動きが激しくてリスクが高い
  • 仮想通貨の市場は規模が小さいので簡単に相場を操作される

現在、仮想通貨の取引で儲けている上手なユーザーはそのまま継続していいと思いますが、

  • なぜかわかんないけど勝てない
  • 損ばっかりしている

という人がいれば取引スタイルを変えるかいっそのこと取引自体を辞めるべきです。

絶対にやってはいけないこと

「今年は仮想通貨元年で今後も価格は高騰するぞ!」という確固たる自信がある人は長期保有で短期的な上昇・下落に左右されていないと思いますが、

金融取引においてメンタルの弱さや十分な資金を持っていない人はポジポジ病(短期間に売り買いや損切してドテンを行うこと)に陥りやすいと思います。

しかし上で説明したように、仮想通貨の取引にかかる手数料はあり得ないほど高いのでポジションを持つ回数が多ければ多いほど不利になります。

また、為替の世界ではそういう人は狙い撃ちされるとの噂もあるので、仮想通貨取引でもその可能性が高いです。

仕込んで放置がベスト

仮想通貨の取引自体は手数料の高さなどで圧倒的に不利なのですが、「仮想通貨」自体は旨味があるのではないか?と個人的に考えています。

というのも、仮想通貨は次世代の技術の基盤となるであろうブロックチェーン技術を使っており、送金の高速化と堅牢性に大きなメリットがあります。

私の足りない知恵で予想すると、仮想通貨は次の時代の通貨として革命的な存在になるうるため、今後数年間は期待感により価格が右肩上がりであがっていくのではないかと考えています。

そのため、(取引の回数は必要最小限に抑えて)安いうちに仕込んで数年間ホールドすることで利回りのいい投資として成り立つのではないか?と思います。

仮想通貨への投資を始めてみました!

ということで、少額(約10万)ですが仮想通貨への投資を始めてみました!にあるように仮想通貨への投資にトライしてみました。

  1. 現在の価格はまだまだ安い
  2. 今後数年間は大きな上げ下げを繰り返しながらも右肩上がりで上がる

という予想が正しければ、数年後4~5倍になって返ってくるはずです、たぶん・・・(返ってきてほしいw)

 

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